当主
何にもあらしまへんけど
すいば95
京都・・・
なんと蠱惑的な響きを持つ中
我々を惹きつけてやまない
この街の魔法の源泉は何か・・・
それは人である
エドワード・ヒースロー教授(団時朗)のナレーショは秀逸
2015年1月から2017年5月まで不定期に5作品放送された「京都人の密かな愉しみ」
NHK BSプレミアム。ドラマとドキュメンタリーを織り交ぜて描く手法に仰天した。
京都は美しい・・・
しかし・・・京都人はわからない・・・
これがなんとも蠱惑的なのでしょう。
吉田兼好の徒然草141段を思い出します。
悲田院の尭蓮上人は、ある日、故郷から客が来たので語り合った。
「東びとが口にしたことは信用できるが、京の奴らは口先ばかりで信用ならん」と言う。
尭蓮聖は、「私も長く京に馴染み、理解できるようになりました。
都びとは心優しく情にもろいため頼みを無下に断れずに承諾してしまうのです。嘘をつこうとは微塵も思ってなく、ただ思い通りに万事がうまく運ばないことが多いのです。」
と返した。
何にもあらしまへんけど。
Isn't this wonderful?This feast!(すごいでしょう?このご馳走)
考えときますわ。
I'm afraid not.(お断りします。)
ほんによろしなぁ。
That's really not so good,is it.(あんまり良くないね、それ。)
ぶぶづけでもどないどす。
Please come home soon.(そろそろ帰ってくれます?)
これ、総て正しいです。
でも、心根というものを無視してはいけないでしょう。
気張って用意したご馳走、貴方ならもっと豪勢なお食事なさってるかもしれませんが。
一生懸命勧めてくださったのに今は必要性を感じません。また必要と思うかもしれません。それまで頭に置いて考えておきます。
貴方にとって会心の出来栄えだと思いますが、私にはイマイチ理解出来ていません。
お食事の時間になりましたよ。俄かに何もご用意できませんが、お茶漬けでよければご用意できますよ。
もし、こう言われて大事なのは返答です。
こんなご馳走、思いもしていませんでした。いつもいつも私なんぞを気に留めていて下すって感謝しかございません。
急かして申し訳ありません。絶対お役に立つと思いますからご検討ください。
なかなか評価してもらいにくいかもしれませんが、今の私には極上なんですよ。
あれ、もうこんな時間。あんまり居心地よかったもので、ついつい長居してしまいました。この辺で切り上げて帰りましょう。今日は貴重なお時間をとって申し訳ありません。
これくらい言えばいいのです。
京言葉がいつも裏返しのわけありません。
いくらでもストレートに言えます。
回りくどい表現は相手を気遣っている証なのです。
#京都人 #吉田兼好 #徒然草 #京ことば #京都人の密かな愉しみ