当主
春はあけぼの
すいば84
春はあけぼの
やうやう白くなりゆく山際
すこしあかりて
紫だちたる雲の細くたなびきたる

春は夜がほのぼのと明けようとする頃がよろしいようで。
陽が昇るにつれだんだんと白んでいく山際の辺りが
少し明るくなって、
紫がかっている雲が横に長く引いている様子がよろしい。
清少納言「枕草子 第一段」の冒頭です。
また「第一五一段」には、
うつくしきもの
瓜にかきたるちごの顔 <中略> 雛の調度
蓮の浮葉のいとちひさきを
池よりとりあげたる
葵のいとちひさき
なにもなにも
ちひさきものはみなうつくし

かわいらしいもの
瓜にかいてある幼い子どもの顔。
<中略>
雛人形の道具。
蓮の浮き葉でとても小さいのを池から取り上げたもの。
葵のとても小さいもの。
なにもかも小さいものはみなかわいい。
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うつくしとは可愛い、愛らしいの意です。
「雛」とは「ひいな」と読み「小さくて可愛いもの」の意で、 平安時代の宮廷では幼い姫君や女性たちは男女一対の「ひいな」に調度品を加えた人形遊びに興じていたものを「上巳の節句」と重なり「ひいな祭」になったものらしいです。
清少納言は随筆というものを日本で初めて書いたひとです。 「随筆」という文学形態は日本独自のものです。
そういった文学形態を生み出した日本は誇るべきかもしれませんね。
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この頃、夜明けの時間が早まりました。
新型コロナウィルスで休校とか。
通っていた高校も卒業式を金曜に敢行していました。
地球の環境が最近とても変です。
不要不急でない外出まで控えだしたら
経済はもう大打撃です。
困った今年の春です。。。