当主
屏風祭〜宵山
すいば61
宗達の 屏風ありやと 鉾町を
めぐりて歩く 京の宵山
吉井勇の有名な短歌です。
「山鉾巡行」が動く美術館なら、「屏風祭」は静の美術館と言われています。
「屏風祭」は祇園会(ぎおんえ)の公式行事ではなく、それぞれの家で宵飾りといって秘蔵の屏風や書画を飾り、格子を外して、通りに面した部屋を開放して自由に見せてくれます。

祇園祭は京都中の祭でもなく山や鉾町だけの祭であるにも関わらず、毎年、鉾や山が建ち始めると京都市内は大渋滞に見舞われます。
若い頃はうちの祭でもないので「屏風祭」も観るというより眺めて通り過ぎてただけでしたが、今年はふと吉井勇の短歌にある俵屋宗達の屏風を探してみようと思い立ちました。

綾小路(あやのこうじ)の新町(しんまち)西入るにありました!
しっかし毎年この時期、雨になるのが困ったものです。
向かって左半分が伯牙山(はくがやま)の会所として使われています。
寛保3年(1743)烏丸四条下ルに呉服商を創業し、明和元年(1764)、現在地に移った。
元治の大火後に再建され、明治3年(1870)4月23日に上棟とのこと。
京呉服を仕入れて千葉を拠点に販売する、いわゆる他国店持京商人として繁栄した屋号「奈良屋」こと「杉本家」に展示されていました。
たくさんある屏風の中でやはり俵屋宗達「秋草図屏風」は見事です。

八曲ですが恐らく高さが1mもない屏風です。薄暗いんです、とっても展示場所。
因みに金屏風は夜に設えるそうです。部屋に明かりを得るためだそうです。
民間人の所有する宗達を観るって凄いことですよね!
このお家には蔵が三つもあり大火も免れたそう。
現在も蔵に保存されてるだけだそうです。


ものすごい雑踏のただ中にいて心和むのは、提灯明かりとお囃子のせいでしょうか。