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青々とした緑

すいば93


「青もみじ」って最近よく聞く言葉です。

「若楓」のことです。


日本には「青々とした緑」のような平安以前から継承されている表現があります。

ある和歌研究によると、「青」と「緑」が区別され始めたのは平安後期から鎌倉で、

それ以前は、緑は青の中の一部と考えられていたようです。

Green Appleを青リンゴ、信号は緑なのに青信号と呼ぶのもその感性の名残でしょう。



卯月ばかりの若楓、すべて、よろずの花紅葉にもまさりてめでたきものなり。

『徒然草』(139段)吉田兼好

卯月(4月末~6月初)頃の青紅葉は、あらゆる花にも紅葉にも優ってすばらしいものだ。


緑に映える東福寺・通天橋です。


五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし。草葉も水もいと青く見えわたりたるに、上はつれなくて草生ひ茂りたるを、ながながとたたざまに行けば、下はえならざりける水の、深くはあらねど、人などのあゆむに走り上がりたる、いとをかし。

枕草子』223段

五月のころ山里に出かけるのはとても楽しい。草葉も田の水もたいそう青々として一面に見渡されるが、表面はさりげなく生い茂っているそこを牛車でぞろぞろ真っ直ぐに行くと、草の下には何ともいえずきれいな水が深くはないが溜まっていて、従者などが歩くとしぶきが飛び散るのがとてもおもしろい。



影ひたす 水さえ色ぞ 緑なる

四方の木づゑの おなじ若葉に

藤原定家 (六百番歌合 夏上 四番)

四方の木々の梢がすべて若葉なので、影を写す水の色さえ緑に見えることだ


緑に染まる沢ノ池です。


この時期、若楓の枝に落とす楓の影。

その影の色さえ青々とした緑の照り返しに染まっています。



暦はもう夏です。



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