• 当主

細雪

すいば118


我が家に何故か古びた小説本がある。




全三巻一千五百頁、一貫して芦屋を中心に文化伝統に深く薫染され洗練されきった日常生活を描写した谷崎潤一郎の小説「細雪」


主人公の蒔岡姉妹の恋い慕う満開の京の桜のように華麗のうちに千二百年の歴史を背負う凛とした京情緒に惹かれます。









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さて、いよいよその季節が来て、花は京都に限つたことではないのだけども、鯛でも明石鯛でなければ旨がらない幸子は、花も京都の花でなければ見たやうな気がしないのであつた。

そして、毎年春が来ると、夫や娘や妹たちを誘つて京都へ花を見に行くことを、ここ数年来缺かしたことがなかつたので、いつからともなくそれが一つの行事のようになつていた。


彼女たちがいつも平安神宮行きを最後の日に残しておくのは、この神苑の花が洛中における最も美しい、最も見事な花であるからで、圓山公園の枝垂桜がすでに年老い、年々に色褪せて行く今日では、まことにここの花を措いて京洛の春を代表するものはないと云つてよい。


あの、神門をはいつて大極殿を正面に見、西の廻廊から神苑に第一歩を踏み入れた所にある数株の紅枝垂、門をくぐつた彼女たちは、たちまち夕空にひろがつている紅の雲を仰ぎ見ると、皆が一様に、

「あー」

と、感激の声を放つた。

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ほんに この紅枝垂は 見事であります。




先週は気温20℃を超え一気にどこもかしこも満開になってしまい、昨日の花散らしの雨で京の桜ももうおしまい。今週からは平年並みの気温に戻るそうです。


武漢からのウィルスも第4波だそうで大阪などでまん延防止等重点措置が発令される中、いよいよ来週からはワクチン接種が始まるそうです。

京都では葵祭の中止が決定され、まだまだ先行きが不安ですね。


#谷崎潤一郎 #細雪 #花 #平安神宮 #紅枝垂 #鯛 #桜

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