- 当主
風の色
すいば57
気温36℃の真夏日です。
智積院(ちしゃくいん)にいました。
真言宗智山派の総本山で広大な敷地のお寺です。

五月の風に五色幕が大きく波打っています。
風が心地よいです。

近くで見ると幔幕に地紋が織り込まれています。
五色幕の色は、「五つの智慧(ちえ)」をあらわしているそうです。
仏教でいう「智慧」とは、知識のことではなく次から次にあふれてくる人間の欲望をむなしいものだと知り、物事をありのままに正しく見つめていくことを「智慧」というそうです。
◆青(翠)……「成所作智(じょうしょさち)」 (あらゆるものを完成に導く智慧)
◆白……「平等性智(びょうどうしょうち)」 (すべてのものが平等であることを知る智慧)
◆赤……「法界体性智(ほっかいたいしょうち)」 (物事の本質を明らかにする智慧)
◆黄……「大円鏡智(だいえんきょうち)」 (鏡のように、すべてを差別なく見ることのできる智慧)
◆黒(紫)……「妙観察智(みょうかんざっち)」 (平等でも、それぞれ違うものであることを知る智慧)

私たちが織物の古典文様を作る場合も、この五色が基本と教わっています。
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