当主
なんばのおやまはん
すいば38
「玉蜀黍」
漢字で書くと、こうなるそうです。
これは16世紀に海を渡り日本へ渡来しました。
日本は島国ですから舶来品に強い関心を持ちます。
だから舶来モノに「唐」や「南蛮」の文字を冠す習慣がありました。
持ち込んだのはポルトガル人でした。
当時すでに中国から伝来していた「唐黍(もろこし)」に似ていました。
舶来のもろこしなら「唐唐黍」となるので、別の漢字「蜀黍」に変え、黄金色の実が美しく並ぶことから「玉」(宝石)の文字をあて、「玉蜀黍」になったそうです。
呼び名も「唐のモロコシ」から「トウモロコシ」になりました。


しかし、京都では昔から「なんば」と呼びます。
トウモロコシの別名「南蛮黍(きび)」からきたらしいです。
地方により他にも様々な呼び名があると聞き、もっと驚きました。
ところで「おやま」。
「女形」や「女方」と書きますよね。
歌舞伎において若い女性の役を演じる役者を指す言葉ですね。
要するに、本物の「女」でないものが「女」の形をするという意味にとっていいと思うんです。
おばあちゃんが、いつも夏の時期、なんばを焼いてくれた後、数日干しておいたなんばの皮を数本束ねて縫い糸と「こんばさみ(糸切りばさみ)」を持ち、綿を詰めて一人こつこつと作っていたのを懐かしく思い出します。




方言も習慣も伝統も、気が付けばどんどん消えてなくなっていってますよね。
「コーン」なんて呼んでほしくないですねw