• 当主

宵山

すいば36


宵山の 祇園囃子の 遠太鼓  もの思ふ夜の 耳に聞ゆる

            勇

今宵の宵山は数年ぶり。

どの鉾も山も明日の巡行に備え気合いの入ったお囃子だ。

函谷鉾(かんこぼこ)に照準を合わせた見物にしてみた。

函谷鉾は応仁の乱以前の起源を持つ「くじ取らずの鉾」として有名で長刀鉾に継ぐ2番目に巡行することの決まった鉾である。


祇園囃子の調子が最後のクライマックスへ向けてアップテンポになっていきます。 そして・・・・・

(最後まで必ず見てね!)


祇園祭の頃の京都は日本一暑い。

他県に分配して気温が下がるものなら是非お裾分けしてあげたいw

山鉾巡行は17日と決まっており、大抵平日に当たる。

京都人でもまず見られない。

だから屋台の出る宵山はとても楽しみな夜となる。

「まるで宵山のよう」

と常套句になるほどの人混みのまさにその時なのだが、鉾や山、屋台を巡る間中、BGMとして流れるお囃子の音は否が応でも最高の雰囲気を掻き立ててくれる。

幼い頃、父母に連れられて行く宵山では「すいか氷」を食べさせてもらった印象が強い。

すいかの赤い実の置かれたガラスの皿にかき氷をかぶせ白蜜をかけたものだが、蒸し暑い夜の冷たいすいか氷は格別であった。普段の倍の祇園祭価格も懐かしい。

実は本当の目的はその前に立ち寄った「白楽天山」。


「ちまき、どうですかぁ♪」

可愛い黄色い声が鳴り響く。


鉾を除く山では一番高い真松が建つ。

あれ?

山を飾る装飾品が何もない裸だ。

尋ねてみると巡行当日の朝に着装するんだって。

よく見ると会所の両横の壁に展示されていました♪


前懸(まえかけ)は16世紀に作られたゴブラン織の「トロイヤから脱出するアイネリアス」を中央にして、左右には波濤飛龍文刺繍裂を継ぎ合わせたもの。

近年、どの鉾や山も本物の装飾裂(きれ)が貴重になってきているのでレプリカを製作して懸ける傾向にある。

この前懸を眺める場所がわたくしにとっての「すいば」なのであります。


もう生地が劣化してヨレヨレ・ボロボロになって来ています。

この刺繍下の生地こそ、わたくしどもの製品なのであります。

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