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箔がつく


すいば 5

がつく

 京都で「ネギ」と言うと、青ネギを指します。

ネギは大別すると「青ネギ(=葉葱)」と「白ネギ(=根深葱=長ネギ)」になると思いますが、昨今では物流が発達し、「西日本=青ネギ、東日本=白ネギ」というイメージは薄くなってきたようです。


 わたくしの子供の頃には「ネギ」としか呼ばなかったものが最近では「九条ねぎ」と呼ばれているようです。現代の京都の九条には畑すら見当たりませんが「京野菜」らしい箔がつくせいでしょうか、どうしても違和感が拭えません。それは「おかず」としか呼ばないものを「おばんざい」とあたかも京言葉のように呼ぶのに似ています。

「おばんざい」という言葉は1964年に朝日新聞のコラムで連載されたタイトルが全国的に広がったもので、京都の家庭では皆「おかず」としか呼んでおりません。

 京都は日本の代表的な観光地ですから特別な呼び方で箔をつけたくなるお商売をなさる人の気持ちは解らなくもないですが。。。

最近は減りましたが、スーパー等ができる以前は、京都では「振売(ふりうり)」と呼ばれる農家のおばちゃんが大八車で朝採りの野菜を売りに来ていましたから、「九条ねぎ」とわざわざブランドよろしく名付ける必要もなかったのだと思います。


 それにしても、寒さが厳しくなるにつれて,ネギの葉の中にとろりとしたゼリー状の「あん」が入り,より旨みが増しますね。

因みにわたくし、「ネギと揚げの炊いたん(=炊いたもの)」が大好きです。


 ここで先述の「箔がつく」の「箔」について。

帯に織り込まれる箔は平箔(ひらばく)とも呼ばれ、「引箔(ひきばく)」と「駒箔(こまばく)」があります。

 今回は「引箔」について簡単にご紹介いたします。

素材としては主にミツマタ製の和紙、紙幣と同じものです。

コウゾ製の和紙は太切れにして用いたりします。

この和紙の上に漆やラッカーを引き、金箔銀箔などをあしらい、時には絢爛豪華に時には渋く着色をして箔として完成させていくのです。

織物は経糸(たていと)と直角に緯糸(ぬきいと)を左右に通し織り組むので 、箔もまた裁断しなければ緯糸として使用することができません。織り込み後、帯に再現するわけです。


※写真はわたくしどもが特許および商標権を持つ「真珠箔」という引箔の裁断されたものです。

 わたくしどもでは引箔は織物により主に90切(きれ)に裁断した引箔を使用します。

和服の場合、織物が織機(しょっき)にあるときには曲尺(かねじゃく)、織り上がってからは鯨尺(くじらじゃく)で数えます。

他に120切、45切、12切に裁断したものも使います。

例えば曲尺1寸(3.03cm)間を90本に裁断して箔にしたものを90切の箔と呼びます。

一切れ0.3mm幅ということになります。判りやすく例えるとシャーペンの芯と同じです。

 帯というものはお着物と異なりあらかじめ染めた絹糸を用いて製織するので、金銀は金糸や箔を織り込むのが通常です。ですから、わたくしの持論として帯には箔を用いたものが帯らしいと考えております。

 これも箔がつくからかもしれませんね。

#九条ねぎ #引箔 #箔をつける