からけし

すいば66 うちから最も近い大文字は左大文字。 金閣寺の北側にある「大北山」 「大」の一画48m、 二画68m、 三画59m、 火床の数53。 夜7時頃、法音寺から松明行列の出発。 法音寺は菩提樹山と号し、現在は浄土宗西山派に属する。 慈覚大師の創建で平安時代諸書にこの寺の名があらわれる。 というよりは左大文字の発祥地旧大北山村の菩提寺として有名。 毎年8月16日朝、施設餓思会で使われた火が、左大文字の親火となり点火される。 大北山へと大松明も登って行きます。 下から測ると一旦森に呑み込まれた松明の行列は登り口から15分ほどで火床辺りに現れ、点火時間の少し前まで全員山頂の広場で控えるため、火は一旦麓の視界から消えます。 そうして8時15分、大の字に点火です。 最初は煙が凄いのですが徐々に落ち着いてきます。 交通量の少ない私の子供時代には近隣まで山上の掛け声が聞こえましたが、人の姿も見える距離でも今は騒音で何も聞こえません。 台風一過の好天に恵まれ、お精霊さんもさぞや見晴らし良い足元でお喜びだったでしょう。 京都では大文字が終わると夏も終わると言います。 ところが、 ところがです。 今年は翌日が土曜日で、盆休み中です。 京都では「五山送り火」の次の日に 「大文字山」に登り「から消し」を拾いに行く風習があるのです。 千載一遇のチャンスです(炎∀炎) 「から消し」とは火床に残った「消し炭」のことで 無病息災を願うものであり、 半紙にくるんで玄関先に吊るします。 厄除けや盗難除けにもなります。 でも朝4時起きはつら〜い(;´ρ`) 日の出前の火床目指して! カルメル会(CARMEL)修

幻の大塔

すいば65 世に「洛中洛外図屏風」なる屏風が数多現存します。 帯の文様にも度々登場するこの屏風は、鳥瞰図(ちょうかんず)になっています。 屏風の下方に描かれた場所が近くで上方に描かれた場所が遠くになる構図。 これは一体何処からの眺めでしょう。 御所? いえいえ御所は屏風の中に描かれているので違います。 「洛中洛外図屏風」は相国寺の七重の大塔からの眺めと云われています。 「大日本史料」に応永6年(1399)9月15日、7年がかりで大塔ついに完成。塔の高さは360尺(109m)とあります。 足利義満は、一千名の僧侶をひきつれて完成式典を主催し、塔上から花をまいたり、舞を奉納したりと盛大な式典を行うとあります。 当時一番偉かった僧侶・瑞渓周鳳が塔に上った感動を詠んだ詩。 「塔上晩望」 七級浮図洛北東 登臨縹渺歩晴空 相輪一半斜陽影 人語鈴声湧晩風 (七重の塔は京の北西に建ち 塔に上ると蒼天を歩いてるようだ 夕陽をあびた塔の先端がはるか下に影を落としている 下界の人の声や鈴の音が風に乗って湧き上がってくる) 「相国」という意味は、木の上に登って国中を見渡し治める意味で、宰相のこと。 中国からきた名称ですが日本でも左大臣の位を相国と呼んでいました。 相国寺を創建した義満は左大臣であり、相国であることから、義満のお寺は相国寺と名付けられました。 永徳2年(1382)、室町幕府3代将軍・足利義満は、花の御所の隣接地に一大禅宗伽藍を建立することを発願。竣工したのは10年後の明徳3年(1392年)であった。 室町幕府の我が世の春の象徴がこの七重の大塔だったのでしょう。 この塔は8年後に落雷により

お精霊さん

すいば64 今年は長〜いお盆休みです。 京都では、年に一度の盂蘭盆(うらぼん)に各家にお帰りになるご先祖様の霊のことを親しみを込めて「お精霊さん(おしょらいさん)」と呼びます。 毎年1ヶ月ほど前に千本ゑんま堂から「お精霊迎え」案内が届きます。 閻魔堂狂言で紹介したお寺です。真言宗のお寺ですが、先祖供養は宗派を超えてすることができます。 私の幼少の頃は楼門も狂言の舞台もある立派なお寺でしたが、焼失してしまい、えらいさっぱりした佇まいになってしまいました。 が、そこが京都。お精霊迎えには何処から湧いてきたかと思うほどの人の数で賑わいます。 先祖の戒名を書いた水塔婆(みずとば)を受取り御本尊・閻魔大王様にお参りし奥へと。 本堂裏に廻って水塔婆に朱印を押していただきます。奥に見える束帯姿の像が、このお寺の開基・小野篁公です。地蔵菩薩のお隣に立っておられます。 本堂裏に水場があります。 先ず塔婆の下の部分に三度お水をかけ、柄杓の上に塔婆を乗せ静かに水に浮かべます。 これを塔婆流しと言います。 水の流れる音と蝉時雨。盛夏ですね。 最後に鐘撞堂へ行き、「迎え鐘」を水塔婆の数だけ撞きます。 家では仏壇にお盆のお供え物を並べ、「精霊馬」を作ります。 キュウリの馬はあの世からお精霊さんが速く家に帰って来られますように。 ナスの牛は、ゆっくりあの世に還って下さいますように。 そういう願いを込めて作ります。 宗教行事の一言で片付ければそれまでですが、子供も一緒になり楽しむ昔からの行事です。 まんまんちゃん、あん。 そして、お精霊さんがお還りになるのをお見送りするのが五山の送り火・大文字なのです。 大文