袴〜ケハレ

すいば12 袴 〜褻晴(けはれ) 本日23日はお得意先の新年会でした。 「和装振興の為、和服にての御参集をお待ち致します」と案内状にありました。 褻晴の「晴」とは、祭礼や法会、正月・節句といった年中行事、初宮参り・七五三などの非日常的な行事が行われる時間や空間を指し、単調になりがちな生活に変化とケジメをつける日のこと。 「晴れ着」を着て、普段とは違う装飾を施したり普段は口にする事のない食物が供せられる非日常的な世界のことです。 そして日常生活を「褻(ケ)」といいます。 わたくしは、お招きする側ではないので紋付ではなく、縫い紋一つのお召に袴で出席します。 滅多に着物を着用しないので悪戦苦闘なのです^^; ****************** それにつけても祝い膳の柳箸を見ると俄然新年の雰囲気は醸し出されるもの。 「柳箸」とは、お雑煮などをいただく時に使うお箸で、両端が削ってあります。 その為、両方向使えますが、実際には片方しか使いませんよね。 お正月には、「歳神様」がおみえになり、その神様と共に祝い膳を食すると考えられていたのです。 お箸の一方を人間が使い、もう一方は神様が使われるのです。神様と共に食事をすることによって、神様のご加護を受け、神様と喜びごとを共にしているという思いを表わすために、こんなお箸があるのです。 このお箸は柳で作ったもので、折れにくく丈夫です。 木肌が白いところから、ものを清浄にし邪気を払うものと考えられてきました。 柳は春一番に芽を出す縁起の良い木でもあります。 日本人の一生は箸に始まり箸に終わるとも言われていますが、そこには神や仏が必ず存在しているとい

すいば〜市中の山居

すいば11 京都の古い言葉に「すいば」というものがあります。 主に子供のつかう言葉でした。 昭和20〜30年代頃、京都では子どもたちが「自分たちの行動範囲にある特別な場所」という意味で「すいば」という語を使っていました。 自分だけが知っている内緒の場所を 信用のおける、自分を本当に理解してくれる人だけに明かす 。 「粋場」の字をあてるようですが、元は「好き場」からきたようです。 単に「好きな場所」を超えて「人に知られたくない秘密の場所」の意で使います。 「粋」の読みを江戸では「イキ」、上方では「スイ」と言いますが、きっと感性の違いもあると思います。 たとえばセンスの良い知る人ぞ知る店、あるいはかなり価値ありの文化がある隠れ寺とか? 「秘密のすいば」って使い方をするもんだから、てっきり「秘蜜の吸い場」って掛詞なのかと思ってたくらいです。 さて、大人になったわたくしは(もうとっくにですが( ´艸`))こんな粋場を見つけました。 茶の湯の用語に「市中の山居」というのがあります。 町中に居て山中の風情を楽しむこと。日常にあり非日常の空間と時間を楽しむ場所。 ここなんて如何でしょう? 美しい路地を辿りながらの大正時代の家並みの風情をゆるい石畳の階段を通り抜けると途中から林の中になり、山道へと変わる。元々は京都大学の教授達がお住まいだったようです。 途中にいくつもの茶室が点在します。 辿り着いた山頂に佇む二階建が見えてきます。何処かの寺院のような柱の趣深い建物です。 かつての茶苑の食堂棟らしい。 茜色の暖簾をくぐり、靴を脱ぎ、よく磨かれた木の階段を上っていくと待ち受けるひんやりした

金閣寺〜三島の美学

すいば10 この冬は冷えますね。 京都は積雪の日が多いところと思いこんでる人がおられます。 ニュースで雪の金閣を観るからというのが理由のようです。 しかし常時起こることはニュースにはならないものです。 一冬に一度、多くて二度ほどしか積雪はありません。今日がその日に当たります。 夕陽に映える金閣が一番だ とおっしゃる方もいますが、わたくしは朝陽に照り輝く金閣こそ一番だと思います。 子供の頃から金閣は何故いつも雪を戴いた画が好まれるのかと不思議に思っておりました。 もしかしたら美しすぎるものは平凡な世界には置いておきたくないという人間の潜在意識のようなものがあるのかもしれません。 凍りつくような厳しい環境が似合うのかも知れませんね。 金閣寺は1950年7月2日未明に放火されました。 わたくしの生まれる前の出来事ですが祖母がその時のことを語っていたのを思い出します。 「空から金砂子が舞い降りてきて屋根瓦に積もったんやでぇ、綺麗やった」 不謹慎ですが、さぞや二度とは遭遇しない美しい光景であったことと思います。 わたくしどもは「金閣寺」をテーマにした袋帯を製作したことがあります。 昔、長谷川一夫という名優はいわゆるお化け映画の時のメーキャップを顔を中心から左右正対称にしたと聞いたことがあります。さぞや美しすぎて怖かったと思います。 実際の金閣寺は後ろに衣笠山があります。ですが帯の図案を依頼する時、背景には大和絵風の遠山文様を配し、実像とおぼしき金閣には本金を使用して金の太陽を配し、鏡湖池は黒漆の箔を用い闇の金閣を銀の月と共に上下正対称に描いてもらいました。三島の表現した美しすぎる怖さを演

人気大よ世〜初ゑびす

すいば 9 京都人が初詣に次いで待っているのは十日ゑびすです。 毎年1月8日から12日までの五日間、曜日に関係なく執り行われる祭礼です。 殊に9日の宵ゑびすと10日の十日ゑびすは夜通し開門されています。 京都ゑびす神社は西宮・大阪今宮神社と並び日本三大ゑびすと称され、「ゑべっさん」の名で親しまれています。起源は約800年前土御門天皇の建仁2年(1202年)に禅の祖といわれる栄西(ようさい)禅師が建仁寺建立にあたり、その鎮守として建てられたことから始まります。 ♪商売 繁盛(はんじょ)で笹もってこい♪ ゑびす様と言えば「商売繁盛の笹」ですが、起源は京都ゑびす神社独自の「御札」の形態で、それが他所に広まったのです。 笹は松竹梅の竹の葉で「節目正しく真直に伸び」「弾力があり折れない」「葉が落ちず常に青々と繁る」という特徴から家運隆昌、商売繁盛の象徴となったそうです。 京都のゑべっさんには、もう一つオリジナルがあります。 初めて見る人には奇妙な印象を与えるかもしれませんが、丸い麦わらで編まれた傘の周りに紅い幕を垂らし、傘の下に沢山の紙人形がぶら下げられた縁起物。 「人気大よせ」と呼ばれる縁起物で、京都の初ゑびすだけのものです。 『いろんな人との出会いを呼び寄せる』縁起物で商売繁盛を願い、古くから飲食店などによく飾られています。 本殿の正面でお参りした後、左へ廻って横の戸を軽く叩いてから願い事をします。 ゑべっさんは耳が御不自由なので、戸を叩かないと願い事を聞いてもらえないからです。 この界隈は祇園、建仁寺に続く土地柄、元々賑わう区域ですが、初ゑびすの時は観光客より京都人の賑わいが凄まじ

雑煮を祝う

すいば 8 雑煮を祝う 新年おめでとうございます 元日の朝は昆布茶をいただき「おめでとうございます」からはじまります。 そして、町内の年始。 帰ってからお雑煮を祝います。 我が家のお雑煮をご紹介いたします。 料亭でもない我が家流の平凡なものです。 鍋に全量の水と昆布を入れることから始まります。 中火で沸かし、気泡が出てきたら昆布を取り出す。 と綴ると料理教室になってしまいますがw 京都の餅は丸餅で焼きません。 味噌は白味噌。 他に、亀甲形に皮をむいた里芋、小さな大根が入ります。 椀に盛ってから糸がつおをのせます。 餅が入っているので、朝寝坊して食べようとすると「お餅はあと○個入ってるさかい」と言われて探しても数が足りない時があります。 これは鍋の中で餅が溶けてしまっているからです。 そうです、京都のお雑煮は餅が溶けてトロミがないといけません。 味噌汁との大きな違いなのですよw 午後からは初詣。 世界遺産の上賀茂神社です。 式年遷宮も終わり、あちこちが整備されていました。 写真は曇り空に見えますが、よく晴れていて寒さもその分マシでした。 トイレは驚くほど立派で広く清潔でした。 もしかして京都の寺社で一番かもしれませんヨ🤗 #雑煮 #上賀茂神社 #ならの小川 #柳箸